JAMSTACKの紹介
2021/07/12
はじめに
今回の記事は初回なので、当サイトの自己紹介ということでこのブログの構成について紹介してみます。 ここの構成はいわゆるJAMSTACKと呼ばれるもので名前は聞いたことがあっても、内容は詳しく知らないという人は多いのかもしれません。 JAMSTACKについて簡単にまとめてみるので、雰囲気だけでも伝わると嬉しいです。
JAMSTACKとは?
JAMSTACKの公式サイトではJAMSTACKに関して以下のように説明されています。 https://jamstack.org/
Jamstack is the new standard architecture for the web. Using Git workflows and modern build tools, pre-rendered content is served to a CDN and made dynamic through APIs and serverless functions. Technologies in the stack include JavaScript frameworks, Static Site Generators, Headless CMSs, and CDNs.
Jamstackは、ウェブの新しい標準アーキテクチャです。Gitワークフローと最新のビルドツールを用いて、プリレンダリングされたコンテンツをCDNに配信し、APIやサーバーレス機能によって動的化します。スタックを構成する技術には、JavaScriptフレームワーク、Static Site Generator、ヘッドレスCMS、CDNなどがあります。
書いてある通りではあるのですが、これだけでは全体の構成をイメージすることは難しいと思います。 そこで、JAMSTACKを従来のWeb構成と比較してみます。
従来のWeb構成
SSR(サーバサイドレンダリング)
- 昔からある構成
- WordPressなどはだいたいこれ
SPA(シングルページアプリケーション)
- ここ最近の主流
- サーバ側で生成していたフロントエンド部分(HTML,CSS,JS)を分離した構成
- APIとは基本的にデータのやり取りのみを行い、クライアント側で表示させる画面はJSを駆使してブラウザで動的に変化させる
続いてJAMSTACKの構成を見てみます。
JAMSTACKの構成
...ただの静的ファイルをサーバへ置いただけでは?
はい。サイトの利用者側からはただの静的サイトにしか見えません。 JAMSTACKの特徴はその静的ファイルを用意するまでのプロセスにあります。 ファイルを用意するまでの工程を含めたJAMSTACKの全体像は以下の通りになります。
図中における静的ファイルをデプロイするまでの工程は
- サイトの管理者がCMSサーバ(青)を利用してサイトのデータを一部更新する(記事を追加するなど)
- CMSがデータを更新
- データの更新を検知したビルドサーバ(黄)がCMSへデータをリクエストする
- 最新のデータをビルドサーバが受け取る
- 受け取ったデータをもとにビルドサーバがHTML等をビルドし、サーバ(緑)へデプロイする
という感じになります。 ビルドサーバがデータの更新を検知する方法ですが、データが更新されたときにCMS側からビルドサーバへweb hookでビルドを促すのが一般的です。 このようにデータの更新毎にビルド・デプロイを行うことで、静的サイトでも常に最新のデータが表示されるようになります。 CI/CDによるサービスの連携がメジャーになってきた近年だからこそ生まれた構成だといえるでしょう。
具体例(当サイト)
上記のような構成は自前のサーバで用意することも可能ですが、外部サービスを使用してJAMSTACK構成にするのが一般的です。 当サイトではJAMSTACK構成にするにあたって以下の外部サービス(フレームワーク)を使用しています。
ContentfulはCMSサービスの一つです。 APIを利用したデータのやりとりのみを行うCMSであるため、ヘッドレスCMSと呼ばれています。 この記事もContentfulを利用して書いており、Contentfulの管理画面では下の画像みたいな感じで編集しています。 記事に変更を加え、保存(Publish)すると即座にビルドが走ってサイトが更新されます。
サイトのホスティングサービスにはNetlifyを使用しています。
サイトのフロントエンドフレームワークにはGatsbyを使用しています。
当サイトの構成図
これらのサービス(フレームワーク)のJAMSTACK構成箇所を先程の図に当てはめると、
の部分に該当します。 当サイトでは Contentful + Netlify + Gatsbyを利用していますが、JAMSTACKを構成するCMS、ホスティングサービス、フレームワークは様々な組み合わせで可能です。
JAMSTACKのメリット・デメリット
最後にJAMSTACKのメリット・デメリットをまとめて終わりにします。
メリット
- フロントエンドやCMSの自由度が高い
(フロントエンドならReact, Vue, Angularなど。WordPressをCMSとしてだけ使うことも可能。) - サーバが必要ないので、メンテナンス不要
(費用も抑えられる。個人利用程度であればほぼ無料で運用が可能。) - CDNを利用できるので、パフォーマンスに期待できる
(サイトを訪れた人の待ち時間は他のWeb構成より圧倒的に少ない。) - API、DBへのアクセスがないのでセキュリティが他のWeb構成よりも優れている
デメリット
- データに変更があるたびにビルドし直す必要があるので、データの更新が頻繁にあるサイトには向かない
(JAMSTACKの部分的な適用はあり) - 学習コストが高いので、初心者には向かない
(最近フレームワークが充実してきてだいぶマシにはなったが、まだハードルは高い気がする)